13歳から、という謳い文句のこちらの書籍、英語学習とは直接関係はないように思われますか?いえいえ、これがすごい書籍でした!ぜひお子様とご一緒にどうぞ。
著者略歴
田中孝幸さん 国際政治記者 大学時代にボスニア内戦を現地で研究、新聞記者として政治部、経済部、国際部、モスクワ特派員など20年以上のキャリアを積み、世界40カ国以上で政治経済から文化に至るまで幅広く取材した。 大の猫好き。
著者は英語学習業界の方ではありません・・・世界中を飛び回って、現在の世界のしくみ・国同士のパワーバランスを目の当たりにしてきたのです。ですから非常に具体的に説明してくださっていて、誰が読んでもわかりやすいのですね。
こんな方に
・MK受講生の保護者の方 ・最近よく耳にする「地政学」について少し知りたいと感じている方

この間、仕事の帰りに書店に寄ったんだけど、「地政学」っていう言葉が目に留まったなあ・・・たくさん平積みになってたから、手に取ってみた。でも結構難しそうだったなあ・・
地政学とは
国の政策を、主として風土・環境などの地理的角度から研究する学問。スウェーデンの政治学者チェレン(ヒェレン)の用語。ドイツのハウスホーファーによって、ナチスの領土拡張政策を正当化する理論に利用された。
日本国語大辞典
ナチスのある政策を正当化??って聞くと「ひえ〜怖」ってなりますね。
私たちの生活は、今や世界に国々との経済的な関わりなしに成り立ちません。
「地政学」を知ることは、自分たちの現在の生活がどのように成り立っているのか、またこれからどうなっていくのかを正しく予想することにつながると思います。

ますます「地政学」について知りたくなってきたなあ!
本書の特徴
・会話形式なので、気軽に読める ・「カイゾク」による7日間のレッスン形式で、見通しが持ちやすい ・1日ごとに「まとめ」があり、読んだ内容が整理できる


内容は?
①Everything passes through the sea ②Nuclear missiles under the sea ③Predicament of continental powers ④Dismemberment (*)of states ⑤International structure of poverty ⑥Fortunes determined by geography ⑦Blind side of globe (本書より抜粋) Dismemberment (*):the act or process of dividing a country, an organization, etc. into smaller parts (OLD)
①あらゆるものは、海を通る・・・
ということは「海」を支配するものは全世界を制すということ、だからあの国もあの国もみんな海の覇権を取ろうとしてるのか・・・なるほど。
⑤アフリカの国々、総じて貧困に喘いでいると言われているのは・・・え??そんなすごい(巨悪な)しくみと結びついているからなのか・・・しくみ自体は知っていたけれど、関連していたなんて、びっくりだなあ。
イチオシは?
②Nuclear missiles under the sea 「日本のそばに潜む海底核ミサイル」・・・え??
「日本は原子力発電所はあるけど、核兵器を持っていないから、安心・安全ね。」と思っている方はいませんか?
それは甘い!!(というか自分も知らなかったのでそもそも甘い!)
核兵器は通常、他の国にはわからないところに隠されている、って知ってました?(本文より引用)
それはどこなのか?
あの大国、実は日本のすぐそばの海底に核兵器を隠し持っているらしいのです・・・(怖)
これは大変だ!今すぐ読んで、知識だけでも武装しておかなきゃ!
英検®︎対策(背景知識増強)にも!
英検®︎1級 2023-3 essay Should science be relied on to solve humankind’s problems? 英検®︎1級 2023-2 essay Do social welfare programs help reduce inequality in society?
もうお分かりですよね。英検®︎上位級(準1級・1級)の英作文やスピーチ(1級)で出題されるトピックの意図するところを「正確に読み解く」には、こちらの書籍の内容が非常に参考になります!
MKキッズはまだ小学生である場合が多いかと思います。現在は、小学生の間に英検®︎準2級くらいまでの合格を目指して、毎日MKのレッスンを受けている場合も多いことでしょう。
でもでも、英検®︎は合格すると、上位級を目指したくなるもの。(親子共々??)
ですから、今のうちに上位級で出題されるトピックを理解するための素地を身につけておくと、英検®︎対策が圧倒的にラクになります。
上記英検®︎1級英作文問題をご覧ください。
humankind’s problems や inequality、日本語ではそれぞれ「人類の課題」「不平等」ですね。
具体的に世界で今どんな問題が起きていて、それはどういう理由があって起きているのか、このことによりどんな影響があるのか、今後どうなっていくのか?どう対処すべきなのか?など、問題の大枠を知っているのと知らないのとでは、今後英語学習を積み重ねる際に、大きな差となるのです。
大人の方でも、上位級の学習で苦労されている場合、この「素地」が欠如していることがよく見られます。(え?それ自分のことですわ・・・泣)

なるほど。これは読みたくなってきたな。易しい言葉で書かれているみたいだから、スキマ時間でも読めそうだ。自分が読んだら、さりげなくテーブルに置いておこう。
まとめ
・会話形式で気軽に読めるのに、地政学を学び世界で今起きていることに関心を持つことができる ・英検®︎上位級を目指すための素地を身につけることもできる

気づきが多く、しかも読んでいて楽しいので、ぜひお子様と一緒に読んでみてくださいね!
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この記事を書いた人

しょーこ VE英検1級レッスン卒業生 VEでは英検対策に関する相談業務などを行っています。
普段はValue English(MK姉妹校・英検など各種試験対策オンライン英語学校)で英語学習や英検対策に関する情報を発信させていただいております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。